2014年11月14日金曜日

【 生きたらよか に こだわる理由 】 〜 この歌が生まれて20年目の検証 〜

『帰らんちゃよか』が全国的に注目されるようになってから、何人かの関係者の方に関島君もタイトルを『帰らんちゃよか』に統一したほうが売り易いんじゃないかと言われたことがあった。歌の受け取り方は千差万別で、今でもタイトルだけを強くイメージして『“帰らんちゃよか”と言える親は強いなぁ〜』とか、『クールだなぁ〜』などと言われる方がある。強さと優しさ、厳しさともろさ、正直と強がり、プライドと寂しさ、愛情と後悔、感謝と憎しみ、現実と将来、親と子… ほんの紙一重の裏腹の感情が混在している。単に親子の愛、気づかい、絆などと割り切れるものではない。だからこそ、いろんな人生を歩んできた人が、自分の人生のある部分を、この歌に投影され、気づかされ、心を揺り動かされるんじゃないだろうか…。この歌は僕の理想の親子関係の歌です。別々の人生、距離感、別れ… しかしながら、親と子の切っても切れない深い感情…宿命…。【帰るとか帰らない】とかではなく、どちらかと言うと【心配するな!】【自分の人生を精一杯生きてゆけ!】という親からの強いメッセージ、応援歌なのです。だから僕はこのタイトル【生きたらよか】を今も変えられないのです。
一方、歌い方はずいぶん変わりました。決められないのです。いや決まらないと言ったほうが正しいでしょう。僕は歳を重ね、両親は年老いていきます。さまざまに状況が変わっていきます。その都度感情が動き表現が変化していきます。プロの表現者としてこれがいいのかはわかりません。だけどこの歌はそんな歌なのです。あちこちで歌ってくださる様々な人も、それぞれの歌い方があるはずです。正しい歌い方はありません。でも人の心に届く歌い方は必要です。
2014年、この歌が生まれて20年目の今の『生きたらよか』の歌を聞いて下さい。
▼アレンジ&ピアノ:宇戸俊秀 ビオラ:鈴木民雄 歌:関島秀樹