2014年9月13日土曜日

【 遠野の ものがたり 】 ~ここには日本の暖かい故郷がある~

大学時代、あんべ光俊の歌う『遠野物語』を聞いた。懐かしい日本の故郷の情景を思い浮かべるとともに、彼の独特な甘いハスキーボイスと癖のある歌い方に不思議な郷愁を覚えていた。柳田國男の『遠野物語』を読んでみた。古い民話の数々に、ただの作り話ではない日本人の生きる知恵や悲哀が込められていた。遠野の田園風景はずっと昔からそのままなんだろう。ここに来ると、座敷わらしやカッパが住んでいてもおかしくないような気になってくるから不思議だ。そして東日本大震災の時は、ここが岩手県のボランティアのサポートセンターの中心になっていた。架空の動物たちが人を騙したり悪戯をしたり惑わせたりするのも、それは人間が好きだからだろう。いざというときは人間の手助けをしてくれるんだと信じている。それは人間の本心や動物、自然の化身なんだろう。大自然に畏敬の念を忘れず、人間もその一部として、自然と共存し生かされていることを忘れてはならない。また今年も“遠野まつり”とすれ違いだ。今回も“縁”(ゆかり)という民宿にお世話になった。この宿のお母さんは、本当に岩手なまりの民話の語り部のような、の〜んびりしたあったか〜い話し方をされ、いつもほっとした気持ちにさせられる。息子さんの釣ったイワナの刺身とお母さんの“ひっつみ汁”は最高だ!